ペイペイは停電時は使えないって本当?
ペイペイは便利ですが、停電時は利用できるのでしょうか。
災害時などの非常時のために準備できることをまとめました。
ペイペイは停電時は使えない?現金を持っておく必要あり
結論から言いますと、停電時にペイペイは利用できません。
2018年9月に発生した北海道胆振地震で電子マネーをはじめとするキャッシュレス決済が使用できず、いわゆる買い物難民が多数発生し、大問題となりました。
キャッシュレス決済はポイント還元やキャッシュバックなどお得で、また現金を持たずに済みますので便利な点も多いのは事実です。
しかし、決済の仕組み自体が通信回線や電力で稼働するシステムで動作していますので、停電してしまうと使用できない場合が多いのも事実です。
具体的には、次のような場合にキャッシュレス決済が使用できない状態となります。
- お店が停電している場合
バーコードの読み取りもできないのでPayPayのバーコード支払いはできません。
また、お店備え付けの専用端末で読み取る必要のあるキャッシュレス決済も使用できません。例えばクレジットカード、デビットカード、SuicaやWAONなどの電子マネー等です。 - お店の専用通信回線が停電によりダウンしている場合
お店の専用通信回線で送受信する必要のある決済方法は使用できません。同様にクレジットカード、デビットカード、SuicaやWAONなどの電子マネー等です。 - スマホ等の通信回線が停電によりダウンしている場合
QRコード決済のPayPayなどは店舗の専用端末で決済するものはなく、店舗固有のQRコードを顧客が自分のスマホで読み取り、金額入力、支払情報を送信するものです。
ですから、お店やその周辺が停電していても、自分のスマホの通信回線が影響を受けていない場合は使用できることがあります。
NTT-docomo、au、softbankなどの通信事業者は、大地震などの災害の際でも通信回線が確保できるように、基地局の非常電源の整備や移動基地局の配備など災害対策をすすめています。しかし、東日本大震災クラスの大災害が起こってしまったような場合には、通信回線の十分な確保はやはり難しいのが現実です。また災害時には、安否確認などで一般的に通信量が激増するものであるため、基地局などが健在でも一時的に速度制限や回線ダウンが起こる可能性があります。もし、スマホの通信回線まで使えない場合は、PayPayなどのQRコード決済も使用できません。
以上から、停電時にはキャッシュレス決済の多くが使用できないのである程度の現金が必要です
停電の規模、範囲が大きければ大きいほどその可能性は高いと言えます。
通信網や決済システム自体の電源も影響を受ける可能性があるからです。
つまり、手元にある程度の現金を置いておくことが停電などの災害対策として非常に有効であると言えます。
現金があれば、店舗が停電していても商品を売ってくれる体制さえあれば必ず購入できます。
どの程度の金額を置いておくべきかは各家族構成や住んでいる地域にもよりますが、電力回復への所要時間やその後の混乱の時間を考慮して、おおむね1週間分の生活費くらいは置いておくべきです。
生活費とは一般的には食費と日用品代が中心ですが、場合によってガソリン代や灯油代などを考慮しておく必要もあります。
- 停電時にPayPayは使用できません
- 他の電子マネーも同様です
- 1週間程度の生活費は現金で持ち歩くのが安心です
停電時には銀行・コンビニATMでの現金引き出しも困難
停電時は銀行やコンビニのATMも利用できない可能性があります。
北海道胆振地震や過去の災害時には災害が起こった後に慌ててATMに並ぶ光景が多く見られました。
しかし大規模停電時にはATMの稼働電力すら供給されませんので、ほとんどのATMは自動的に閉鎖されてしまいます。
大規模な銀行店舗や隣接ATMではある程度自家発電で稼働する場合もありますが,これにも限界があります。
仮に、店舗や備え付けATMが稼働していたとしても、平常時に比べてその数は著しく少ないので非常に多数の方が長い列で並ぶことになります。
また、銀行といえども各店舗に常時大量の現金を用意しているわけではありません。
引き出し金額に規制がかかったり、最悪の場合は現金切れとなってしまい、引き出し自体ができないこともあります。
さらに口座からの引き出しなど銀行取引自体も、銀行自体の回線・システムが停電により利用できない可能性もあります。
- 停電時は銀行やコンビニのATMも利用できない可能性がある
- ほとんどのATMは自動的に閉鎖されます
- 自家発電で稼働しているATMには長蛇の列ができ、現金切れなどもあり得ます
自家発電している店舗はどれくらい?
先ほども触れましたが、自家発電している店舗では電子マネーやクレジットカードが利用できる場合があります。
北海道胆振地震では、地元北海道のコンビニチェーンであるセイコーマートが95%の店舗で営業を継続し賞賛されました。
セイコーマートでは停電時に車から電気を供給することがマニュアル化されていたり、電源や通信回線に依存しない小型会計端末を全店に配備していました。
しかし、そのセイコーマートでさえも、やはりクレジットカード・電子マネーなどのキャッシュレス決済はほとんど使用できませんでした。
では、一般的な小売店の自家発電や非常用電源の設置状況はどのようなものでしょうか。
小売大手のコンビニチェーンやスーパーなどは、ほとんどがBCP(災害時事業継続プラン)を定めており、その中で停電時の対応を定めている場合がほとんどです。
しかし、大都市の市街地立地店などは非常用電源や自家発電設備を置く場所やスペースが少なく、車などからの電力供給も容易ではないため、大手小売チェーンといえども全店で自家発電設備を配備しているわけではありません。
小売大手のイオンですら大型店100店舗程度に自家発電を備えているにすぎません。
イオンブランドの総合スーパーの店舗数は2018年下半期で約500店舗ですから、約5分の1割合になります。
さらに、小規模の食料品店や生活雑貨店ではBCP自体定めていない場合も多く、非常用電源についてもコストの問題から備え付けている割合は非常に低い状況です。
- 自家発電している店舗でもクレジットカード・電子マネーが利用できないケースが多い
- 自家発電している店舗事態、多くはない
そもそもキャッシュレス決済とは?
キャッシュレス決済とは、現金を使用しない支払方法です。
よく知られているキャッシュレス決済としては、従来のクレジットカードやデビットカードの他、SuicaやWAONなどの電子マネー・LINEPay・PayPayなどのQRコード決済があります。
また、QRコード決済には以下の2種類あります。
- 顧客のスマホに表示されたQRコードを店舗側が読み取る方式(LINEPayなど)
- お店固有のQRコードを顧客が自分のスマホで読み取る方式(PayPayなど)
さらに、支払い方式ごとにプリペイド(前払い)・リアルタイムペイ(同時払い)・ポストペイ(後払い)に分けられます。
キャッシュレス決済の仕組みとは
キャッシュレス決済は、次のような仕組みで順番に処理されるのが一般的です。
- モノやサービスを購入する際に、店舗での専用端末や固有のQRコード読取りを通じて、購入金額や支払者などの支払情報が入力されます。
- 暗号化された支払情報が通信回線等を通じて、決済サービス提供者(例えばPayPay)のシステムに送信されます。
- システムで請求・支払処理が行われます。
- 店舗端末や携帯などに、請求・支払処理完了(成功)の情報が返ってきます。
- 店舗、顧客双方で処理情報を確認して完了です。
まとめ
PayPayなどのキャッシュレス決済はお得で便利ですが、停電などの災害時には使用できない可能性が高いです
自家発電設備を保有している小売店の割合も低く、仮に自家発電していてもキャッシュレス決済が使用できない場合があります。
大規模停電時には銀行やATMも営業できない可能性が高く、現金の引き出しは困難です。
停電などに備えて、ある程度の現金を手元に用意しておきましょう。
通常はポイントやサービスがあるPayPayなどキャッシュレス決済を利用し、非常時に現金を利用して上手に賢くお買い物をしていきましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。