QRコード決済サービスのPayPayは、ユーザー(消費者)向けキャンペーンとして昨年末に「100億円あげちゃうキャンペーン」を展開し、大きな話題を呼びました。
その後もユーザー向けの新規登録キャンペーンと並行して、年明けから加盟店向けにも加盟店紹介キャンペーンを展開しています。
今回は、そんな「PayPay加盟店ご紹介キャンペーン」の報酬は確定申告が必要かどうか、副業にあたるのかどうかを解説していきます。
PayPay加盟店ご紹介キャンペーンとは?
ペイペイ加盟店ご紹介キャンペーンとは、PayPayのQRコード決済サービスを既に利用している既に利用している店舗が、他の店舗に同サービスを紹介した場合に紹介報酬を支払うキャンペーンです。
報酬額
- 紹介したお店への報酬
1500円/1店紹介ですが、これに加えて紹介店舗が増えるほど沢山もらえる追加特典もあります。
追加特典の内容は、3店以上5,000円、5店以上7,000円、10店以上で10,000円、20店以上で15,000円、30店以上で20,000円となっています。 - 紹介されたお店への報酬
紹介されたお店にも1,000円の報酬があります。
キャンペーン適用条件
キャンペーンで紹介報酬をもらうためには以下の条件が必要です。
- 紹介されたお店が2019年1月7日から3月29日までの期間に、PayPayの専用フォームから紹介者コードを入力して申込していること。
- PayPayの審査を4月30日までに通過していること
- 紹介したお店、紹介されたお店ともに報酬支払時までPayPayのQRコード決済サービス加盟店であること
- さらに追加特典については、紹介されたお店で4月30日までにQRコード決済サービスの決済確認が取れていること
- ペイペイをすでに利用している店舗が、他の店舗にペイペイを紹介すると紹介報酬を得られるキャンペーンです
- 報酬額
- 紹介したお店
1店舗の紹介につき1,500円。追加特典もあります。 - 紹介されたお店
1,000円
- 紹介したお店
- キャンペーンの適用には紹介元、紹介先ともに条件があります
ペイペイのキャンペーン報酬は確定申告が必要?
このキャンペーンで支払われる報酬については、税務上の収入とみなされます。
したがって紹介者が法人の場合は法人の収入となりますので、いずれにしても申告されると思いますが、個人の場合も原則として確定申告が必要となります。
PayPay側では税務署に対して、だれにいくら紹介報酬を支払ったかという報告をします。
そうすればPayPayの事業経費に算入することができ、PayPayが支払う税金が少なくなるからです。
したがって「このくらいバレないだろう」という考えは危険ですので、必ず申告するようにしましょう。
なお、個人の方で会社勤めの方(給与所得者)が紹介者である場合には、キャンペーンの紹介者報酬が雑所得や事業所得などで計上する必要がある場合があります。
キャンペーン報酬が雑所得に該当するか事業所得など他の所得に該当するかは、それぞれの事情によりますので税務署への確認が必須です。
キャンペーン報酬やお店からの所得(収入-経費)が20万円以下であって、会社のお給料が年末調整済みである場合は例外的に確定申告不要の場合もあるでしょう。
- キャンペーンの報酬は税務上の収入とみなされます
- 原則として確定申告が必要です
- 必ず確定申告をしましょう
- 質問は税務署にしましょう
- 確定申告が不要のケースもあります
ペイペイのキャンペーン報酬は副業とみなされるの?
副業とは、本業以外で収入を得るためにおこなう仕事をいいます。
「業」とは、一般的な概念では「利益を得ることを目的として」「反復継続されるもの」となります。
したがって、紹介キャンペーンについて、1度限り又は2,3回程度でその後反復継続しないのであれば、報酬を受け取ったとしても一般的には「副業」とは言いにくいでしょう。
しかし、どのような行為を副業と認定するか、また副業をどの程度まで認めるかは、普通は会社側が就業規則にしたがって決めることです。
最近のいわゆる「働き方改革」の一環として副業を認める会社も徐々に増えていますが、それでも大多数の会社は副業そのものを認めていません。
日本の大多数の会社では、依然として就業規則に職務専念の義務などを定めています。
また、副業を認める会社であっても当然ながら本業(その会社の仕事)に影響を及ぼすような副業は認めません。
紹介キャンペーンを活用してどんどんお店を紹介し、報酬を稼ごうと思っている会社員の方は、お勤め先の就業規則、労働契約内容などの綿密な確認が必要です。
また、この紹介キャンペーンでは前提条件の一つとして、紹介者がPayPayのQRコード決済サービスを導入している「お店」であることを挙げています。
つまり、紹介者はお店を経営しているということで、仮に紹介キャンペーン報酬を受け取ることは副業にならない場合であっても、「お店の経営」は副業と認定される可能性が高いです。
- 副業とは本業以外で収入を得るために行う仕事のことです
- 会社に属している場合は、就業規則によって判断しましょう
副業が会社にバレる原因とバレたら起こること
一般的に会社員が副業が会社にバレるとどうなるのか解説していきます。
(1)副業が会社にバレる原因
副業が会社にバレる原因としては、大きく分けて2つあります。
- 同僚などからの報告
要するに、同僚など会社の人に副業の現場などを見られた結果、人事担当に報告される、ということです。
コッソリやるからバレないと思われるかもしれませんが、意外にこの発覚パターンも多いです。
飲み会の席などで、つい自分から友人に言ってしまった結果、人事に伝わるとか目撃情報に基づかない場合もあります。
「副業をコッソリしている」などというセンシティブな情報について「ここだけの話」はない、と常日頃から認識しておくべきでしょう。 - 人事担当者による住民税額バランスチェック
副業をしている場合、原則として副業分の所得を税務署へ確定申告します。
所得税についてはこの申告に基づき支払うこととなりますが、申告内容が本業の会社へ報告されることはありません。
しかし、毎年6月ごろに通知される住民税額(都道府県民税+市町村民税)は別です。
会社勤めの方は、毎年6月ごろに会社を通じて、お住いの市区町村から発行される「住民税課税決定通知書」という細長いものを受け取られると思います。
そこには、前年の収入、所得内容であるとか、給与から天引きされる住民税額が表示されています。
天引きの処理については、毎月の給与計算の際に、会社の給与事務の担当者が行うわけです。
ところで、住民税の「税率」については地方税法で定められており全国一律で10%となっています。
このことを会社側から見てみると、同じような給料を支払っている社員については同じような住民税額にならないと「おかしい」ということになります。
他の職員と比べ著しく住民税額が高い社員は、会社以外から収入があるのではないか=副業をしているのではないか、と疑われます。
(2)バレたら起こること
副業をされている会社において、社員が副業をしていることが発覚した場合は一般的に労働契約や就業規則に基づく処分が検討されます。
手続きとしては、以下の流れが一般的です。
- 社内規則などに基づき、懲戒(懲罰)委員会が招集されます。
人事課長や部門の責任者などがメンバーであることが多いです。 - 委員会による本人に対する事情聴取が行われます。
本人に対して事実確認と弁明する機会を与えるためです。 - 委員会による懲戒(懲罰)内容の決定
副業が本業(会社の仕事)に影響を及ぼした程度や副業をした理由、副業に投じた時間などが総合的に検討されます。
その検討結果に基づき、軽い処分から厳重注意(口頭、文書)、減給、停職、免職などの処分が決定されます。
今回のPayPay加盟店ご紹介キャンペーンについては、一般的には時間的、労力的負担はあまり大きくないと思われます。
また、報酬は一時的なもので継続せず、金額も数千円~数万円程度です。
このような事情ですから、会社にバレた場合でも、このキャンペーン報酬があることをもって停職や懲戒免職などの重い処分が選択される可能性は少ないと思われます。
ただし、このキャンペーン紹介報酬を受け取るにあたって本業の会社の顧客名簿を使ったとか、いわゆる競業避止義務違反、個人情報守秘義務違反などがあった場合は、厳重な処分がなされる場合もあるでしょう。
- 会社に副業がバレる原因
- 同僚などからの報告
- 人事担当者による住民税額バランスチェック
- バレたら起こること
最悪の場合、懲戒免職です
まとめ
当記事の内容をまとめます。
- PayPay加盟店ご紹介キャンペーンとは、ペイペイをすでに利用している店舗が、他の店舗にペイペイを紹介すると紹介報酬を得られるキャンペーンです
- 報酬額
- 紹介したお店
1店舗の紹介につき1,500円。追加特典もあります。 - 紹介されたお店
1,000円
- 紹介したお店
- キャンペーンの適用には紹介元、紹介先ともに条件があります
- キャンペーンの報酬は税務上の収入とみなされます
- 原則として確定申告が必要です
- 必ず確定申告をしましょう
- 質問は税務署にしましょう
- 確定申告が不要のケースもあります
- 副業とは本業以外で収入を得るために行う仕事のことです
- 会社に属している場合は、就業規則によって判断しましょう
- 会社に副業がバレる原因
- 同僚などからの報告
- 人事担当者による住民税額バランスチェック
- バレたら起こること
最悪の場合、懲戒免職です
ペイペイ加盟店ご紹介キャンペーンは紹介元も紹介先も得をするキャンペーンです。
しかし、副業になる可能性がある方は必ず就業規定を確認し確定申告にも注意をしましょう。