最近では、LINE Payなどのモバイル決済のサービスが普及し、金銭のやり取りが以前に比べて格段に便利になりました。
しかし、モバイル決済のサービスを利用する上で不安となるのは、第三者による不正利用による損害でしょう。
たとえば、アカウント情報の盗難や不正ログインなどにより意図せず決済をされてしまったり、特にプリペイド式のLINE Payなどでは情報が分かると残高すべてが使われてしまいます。
このような被害にあった場合には、泣き寝入りするしかないのでしょうか。
LINE Payでは、このようなアカウント情報の不正利用による損害からユーザーを守り、万が一の場合があっても安心して利用できるように「不正利用補償制度」を2015年2月から運用を開始しています。
ここでは、LINE Payが不正利用された場合の損害を保証する制度である不正利用補償制度について具体的にどのような制度でどのような場合にどう補償してくれるのか、補償に制限などはあるのかなどを解説していきます。
被害にあった場合の事を知っておくことで、LINE Payを含むモバイル決済を安心して利用して行きましょう。
LINE Payの補償は10万円
LINE Payの不正利用補償制度による補償額の上限は、原則として10万円とされています。
これは、LINE Payに登録して初めに取得できる初期アカウントである「LINE Cash」アカウントでLINE Payで月に使うことの出来る上限額が10万円と決められているからです。
しかし、LINE Payでは「LINE Money」アカウントという銀行口座の登録や本人確認を済ますことで取得できるより大きな取引ができるアカウントがあります。
この「LINE Money」アカウントでは、月に使うことができる上限額が100万円までとなっています。
このため、「LINE Money」アカウント不正利用された場合の被害額は「LINE Cash」アカウントとは異なり、不正利用補償制度による補償額の10万円を超えて高額となる可能性が出てきます。
この場合でも、LINE Payの不正利用補償制度では不正利用の状況や警察の捜査の結果によって認められれば、補償上限額の引き上げを個別に検討するという形で補償を受けることが出来ます。
「LINE Cash」アカウントの場合においても仮に上限額の10万円を超える損害額が発生した場合、こちらも不正利用の状況や警察の捜査の結果によって認められれば、補償を受けることができます。
この場合、補償の形式上は不正利用補償制度とは別に、LINEもしくはLINE Pay運営による補償という形での補償となります。
なお、LINE Payの場合LINEの友達同士での送金機能で不正利用されることも想定されます。
友達側にも損害が発生したケースでは、不正利用されたアカウント保持者に対して補償されますので、後に被害にあった友達とあらためてやり取りする事で補填する必要があります。
- 不正利用補償制度による補償額の上限は原則として10万円とされています
- 月額の上限金額が100万円であるLINE Moneyアカウントでは不正利用補償制度による補償額が10万円より高額になる可能性があります
補償期間は31日間
LINE Payでの不正利用が発覚してからLINE Payの運営に申告することになりますが、その期間に制限はあるのでしょうか。
LINE Payの不正利用補償制度で補償される期間は31日間となっています。
これは、LINE Payの運営機関が不正利用の被害報告を受付をした日からさかのぼって、当日を含めた30日前までに不正利用があった場合に補償されるという事になります。
したがって、この期間外に不正利用があった場合、その被害についてはLINE Payの不正利用補償制度による補償を受けることができません。
多くのケースでは、不正利用が発覚してすぐにLINE Payの運営期間に報告するとは思います。
しかし、注意したいのがこの期間は不正利用が発覚した日ではなく、不正利用された日となります。
不正利用の発覚次第早めに報告をすることをおすすめします。
- LINE Payの不正利用補償制度で補償される期間は31日間です
- 注意したいのが不正利用が発覚した日ではなく、不正利用をされた日です
- 不正利用が発覚したらすぐに報告をしましょう
補償を受けるまでの手順
LINE Payでのアカウントの不正利用による被害が発覚した場合には、どのような手順でLINE Payの運営に報告すればよいのでしょうか。
LINE Payの不正利用を申請する方法として、申請自体は簡単に行うことができます。
具体的にはLINEアプリに設けられている、問題報告フォームから申告をします。
なお、不正利用補償制度をスムーズに適用してもらうために、次の2点を予め行っておきましょう。
- 不正利用の被害を受けたことの証明となる、利用履歴などのスクリーンショットなどを取得して申告時に添付する
- 不正利用被害にあった証明のため、警察への届出が必要となるため、予め届出を済ませておく
なお、不正利用をされた日が補償制限日数の31日を越えそうな場合には、先に申請をしておくなど状況に応じて対応しましょう。
- LINEアプリの問題報告フォームから申告をするだけです
- 不正利用の証明となるスクリーンショットを申告時に添付しましょう
- 警察への届け出も済ませておきましょう
利用された額は全額補償される?
次の事項に該当し、不正利用されたことが証明されれば補償されると考えて良いでしょう。
- 端末の紛失・盗難により第三者にLINE Payにログインされ金銭移動が行われた場合
- LINE及びLINE Payのログイン情報が第三者に特定された結果、他の端末からの不正ログインにより金銭移動が行われた場合
- 第三者によってアカウントに不正ログインされ、LINE Payアカウントから自分以外へ送金や金銭移動が行われた場合
以上をまとめると、誰かにLINE Payに不正にログインされて、お金のやり取りをされた場合には補償対象となります。
補償の対象外になるケースとは?
このLINE Payの不正利用補償制度を悪用されないために、補償の対象外になるケースが設けられていますので注意が必要です。
例えば、次のようなケースがあります。
- 自分からLINE Payのアカウント・パスワードの情報を他の人に教えたり、公開してLINE Payを利用することを促した場合
- お金のやり取り自体が、本来のLINE Payのアカウント保持者の意志によるものであった場合
- 利用規約に反した使い方をしていた場合
いずれの保証の対象外となるケースを見ても、普通に利用している場合には問題なくクリアできる内容です。
したがって、悪用を考えずに不正利用をされた場合のほとんどのケース保証の対象となります。
ここまで、LINE Payの不正利用補償制度についてみてきました。
- 補償の対象外となるケースがあります
- 普通に利用している場合には問題なく補償の対象になります
まとめ
まとめると次のような内容となります。
- LINE Payの不正利用補償制度はLINE Payのアカウント情報を紛失や盗難などにより不正に使用され、損失があった場合に補償してくれる制度です
- 補償の上限額は10万円とされていますが、アカウントの状態によって10万円を超える損失があった場合でも補償される事があります
- 不正利用をされてから申告まで31日間を超える場合には対象外となりますので、不正利用が発覚した場合には直ぐに申告をした方が良いです
- 不正利用の証拠となる利用履歴の提出や、警察への届出は済ませておきましょう
- 基本的には不正利用のほとんどのケースが補償の対象となりますが、悪用される事を防ぐために該当しないケースも設けられています
LINE Payの不正利用補償制度をきちんと理解し、安心してLINEPayを利用しましょう。