近年では国が積極的にキャッシュレス化を推進していることもあって、現金を必要としない決済サービスが次々と登場しています。

特にスマホのQRコードを読み取ることで買い物ができるQRコード決済は近年急速な広がりを見せているわけですが、2019年5月にサービス提供が始まり大きな話題となっているのが、ゆうちょ銀行が提供する「ゆうちょPay」というQRコード決済サービスです。

ゆうちょPayには具体的にどのような特徴があるのか、PayPayなどの他のQRコード決済との違いはどうなのか、利用する際にはどのような点に気をつければ良いのか等を解説していきます。

記事は下に続きます。





ゆうちょペイのメリット

まずは他のQRコード決済サービスにはない、ゆうちょ銀行ならではの強みを解説していきます。

ゆうちょペイの強み
  1. ゆうちょ銀行の口座とスマホがあれば誰でも利用できる
  2. チャージの手間がかからない
  3. キャッシュアウト機能
  4. 他の銀行の口座でも利用できる

ゆうちょペイの強みを1つ1つ詳しく解説していきます。

1.ゆうちょ銀行の口座とスマホがあれば誰でも利用できる

ゆうちょPayの最も大きな特徴として、まず挙げられるのが利用の際のハードルの低さです。

一般的なQRコード決済サービスを利用する場合、SMS機能などを利用して本人確認などを行い、独自のIDを作る必要があります。

さらにはIDを作成した後はアプリとクレジットカード情報などを結びつける必要があります。

クレジットカードやデビットカード等を持っていなければ利用が面倒というケースは多いですし、新規にIDを作らなければならないことに辟易する人も少なくないと考えられます。

一方でゆうちょPayの場合、ゆうちょ銀行預金口座を持っていれば後はスマホにアプリをダウンロードするだけで利用できます。

審査不要で利用できますし、アプリをダウンロードした後はゆうちょ銀行の自分名義の口座情報を登録するだけで利用できるので他のサービスと比較して、気軽に導入できる点に強みがあります。

2.チャージの手間がかからない

多くのQRコード決済サービスでは安全に利用するためには事前にクレジットカードや銀行口座、コンビニなどから残高へチャージをしておく必要があります。

頻繁にQRコード決済サービスの多くは安全性確保のために1日あたりや1回あたりにチャージできる金額が低く設定されているため度々QRコード決済を利用する場合には頻繁にチャージを行わなければならず、これが負担となります。

ゆうちょPayで買い物をする場合、購入代金はアプリに登録してあるゆうちょ銀行の口座から即時で引き落とされることとなるため、基本的にチャージの必要がありません

ゆうちょ銀行の口座に残高さえあれば決済ができるので、ゆうちょ銀行を給与振込口座にしている場合など、常に安定した入金がある場合には全く不自由なく利用できると考えられるのです。

この特徴を踏まえると、ゆうちょPayはデビットカードに近い感覚のQRコード決済サービスと言えます。

3.キャッシュアウト機能

ゆうちょPayの目玉とも言える機能がキャッシュアウト機能です。

これは駅の券売機から現金の引き出しができる機能です。

専用の機械にQRコードをかざすことで、ATMからお金を引き出すような感覚で自分の預金を落とすことができます。

東急電鉄の各駅に専用の端末が設置されているので、東急電鉄を日頃から利用している人には特に大きなメリットがあると考えられます。

キャッシュレス化が進んでいるとはいえ、現金が必要なシーンはまだまだ多いです。

急に現金が必要となった時、手数料を支払ってコンビニATMでお金を引き出すよりもキャッシュアウト機能を利用することで、よりお得かつスマートに預金の引き出しができるようになります。

4.他の銀行の口座でも利用できる

ゆうちょPayはゆうちょ銀行の預金口座を登録するのが基本ですが、実はゆうちょ銀行以外の銀行の預金口座を利用することもできます。

既に横浜銀行や福岡銀行とは提携を結んでいて、これらの銀行の口座を利用してゆうちょPayの利用は可能となっています。

今後はさらに利用できる銀行は増えていくと考えられています。

具体的にはりそな銀行や親和銀行、熊本銀行等の銀行との提携が見込まれています。

ゆうちょペイのメリット
  1. ゆうちょ銀行の口座とスマホがあれば誰でも利用できる
    他のサービスと比較して利用の条件のハードルが低いと言えます
  2. チャージの手間がかからない
    ゆうちょ銀行の口座に残高があれば決済が可能です
  3. キャッシュアウト機能
    東急電鉄の券売機で現金の引き出しができます
  4. 他の銀行の口座でも利用できる
    既に横浜銀行や福岡銀行と提携をしていて、りそな銀行や親和銀行、熊本銀行との提携も見込まれています
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ゆうちょペイとPayPayの違い

QRコード決済サービスといえば、大規模なキャンペーンを行ったことで話題となったPayPayを連想する人が多いでしょう。

ゆうちょPayとPayPayはどちらもQRコードをかざすことで利用できますが、どのような違いがあるのでしょうか。

支払いの方法

PayPayはクレジットカードを登録して支払いのが基本となっている他、ネットバンクサービスを利用してのチャージやYahoo!JapanIDと連携してYahoo!マネーを利用しての支払いなど支払の方法が多様で便利です。

逆に支払い方法が分かりにくく、またクレジットカードを持っていない場合はやや利用しにくい側面があります。

一方でゆうちょPayはゆうちょ銀行の口座から即時で引き落としがされるので、支払い方法がシンプルで分かりやすい点に特徴があります。

ただ、対処の口座を持っていない場合は口座を開設する必要があります。

利用限度額

PayPayでは以前不正利用などのトラブルがあったことから、1回あたりの支払限度額がかなり低く抑えられています。

本人認証が未設定の場合には24時間以内・30日以内の支払限度額はわずか5000円となっていますし、本人認証が済んでいる場合でも24時間以内の限度額は20,000円、30日以内の限度額は50,000円となっています。

本人認証を済ませ、さらにPayPayに「優良な利用者である」と認められ、「青バッチ」をもらうことで、ようやく24時間以内・30日以内の支払限度額が250,000円となって、快適に利用できるようになります。

一方でゆうちょPayの場合は利用者が自分自身で利用限度額を定めることができますし、上限金額も高くなっています。

初期設定では1日あたり100,000円、1ヶ月あたり500,000円が支払限度額となっていますが、設定を変更することで、1日あたり200万円、1ヶ月あたり500万円まで利用可能となります。

高額な買い物をする場合やQRコード決済を頻繁に利用する場合に、ゆうちょPayは非常に便利と考えられます。

逆に、PayPayの方がセキュリティが高く、不正利用の可能性や被害額も低く抑えることができると言えます。

ゆうちょペイとPayPayの違い
  • 支払いの方法
    • PayPayは支払いの方法が多く、分かりにくいと感じる方もいます。しかし、便利とも言えます。
    • ゆうちょペイはすでに持っているゆうちょ銀行の口座から即時で引き落とされるのでシンプルで分かりやすいです。しかし、対象の口座を持っていない場合口座を開設する必要があります。
  • 利用限度額
    • PayPayはセキュリティが高い反面、高額の買い物をするのが面倒です
    • ゆうちょペイは上限金額が高いので不正利用の場合の被害額が高くなりますが、高額の買い物に便利です
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ゆうちょペイが利用できる(予定も含む)店舗

ゆうちょPayが利用できるお店ですが、2019年5月時点で利用できる主なお店は次のようになります。

ゆうちょペイが利用できる店舗
  • 東急グループ
  • ヤマダ電機
  • エディオン
  • ベスト電器
  • ケーズデンキ
  • ウェルシア
  • マルエドラッグ
  • ハッピードラッグ

また今後は以下のお店でも使えるようになる予定です。

今後ゆうちょペイが利用できる店舗
  • 松屋
  • ミニストップ
  • 東急ハンズ
  • 和民
  • ミライザカ
  • Joshin
  • ファーストキッチン
  • はなまるうどん
  • サーティーワンアイスクリーム
  • ポプラ

今後ますます利用できる店舗が増えていくことに期待ですね。

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ゆうちょPayの2つのデメリット

ゆうちょPayはゆうちょ銀行の口座とスマホさえあれば誰でも手軽に利用できるメリットがある一方で、幾つかのデメリットもあります。

利用時の注意点を確認していきましょう。

ゆうちょPayのデメリット
  1. 利用できる店舗数が少ない
  2. お得度が低い

2つのデメリットを詳しく解説していきます。

1.利用できる店舗数が少ない

後発のサービスなので仕方ありませんが、他のQRコードサービスと比較すると利用できるお店が絶対的に少ないです。

コンビニや飲食店などで利用できるようになることを期待したいですね。

2.お得度が低い

他のQRコード決済サービスでは支払い金額200円毎に1ポイントの還元など、ポイント還元がありますが、ゆうちょPayではポイント還元はありません

支払いでポイントが貯まる他のQRコード決済や電子マネーと比較すると、やや魅力に欠けます。

ゆうちょPayの2つのデメリット
  1. 利用できる店舗数が少ない
    他のキャッシュレス決済サービスと比較すると絶対的に少ないと言えます
  2. お得度が低い
    ポイント還元がありません

まとめ

ゆうちょPayは後発のQRコード決済サービスということもあり、他社と比較するとやや出遅れたような感覚はありますが「ゆうちょ銀行」というブランドをうまく活かすことでこの先期待ができるサービスです。

今後はより利用できる店舗数を増やしていき、またポイント還元などの利用のメリットを充実させていくことが期待されます。

さらには利便性とお得度が向上すれば、一気にシェアを獲得できる可能性を秘めています。

ゆうちょPayの今後に注目をしましょう。